研究のカミサマ -研究職への就職大作戦-

研究職を目指す学生さんに、現役研究者が本気で考えた、研究のカミサマを味方につけて「研究職に就いて」「生き残る」方法について綴ります

研究職の目指し方

はじめに

はじめまして。KOMOMONです。私はとある大学の大学院修士を修了したのち、一度文系就職をしました。その後、第二新卒で研究職に就くことができ、現在まで10年以上研究員として働いています。このブログでは、私が研究員として働いてきた中で見えてきた、研究職に就く可能性を上げるためのポイントをお話ししたいと思います。

※残念ながら確実に研究職に就けることを保証するものではありません。ご了承ください。

 

 研究職はよく「狭き門」だと言われますが、これは優秀でなければ研究職に就けない、という意味では必ずしもありません。正直なところ、運と言ってもいいほどかもしれません。そして、残念なことに、研究職に就きたかったわけではないのに研究職に就いてしまう人も実はいるのです。

 

 では、研究職に就くためには「運任せ」にするしかないのでしょうか?

 

 決してそうではありません。実はみんなが知らないだけで、研究職に就く可能性が上がる方法はあるのです。ただし、これはいつ始めるかによって方法が異なり、難易度は格段に変わります。早く始めるほど確率は上がるのです。最も確率が高くなるのは中学生のうちから作戦を立てて進路を決める事です。もしこのサイトにたどり着いた中学生の皆さん、ラッキーですよ。皆さん向けにも記事を更新しますので、それを読んでいけば、研究職に就く確率は上がりますよ。待っててください。

 今就職活動中の大学院生の皆さん、怒らないでください。今からでも可能性はあります。少なくともこれからお話しする方法は、企業研究をする上でも重要になるので、研究以外の職種だとしても、就職には間違いなくプラスになります。さらに言えば、研究職として生き残っていくためには、自分の専門分野について詳しくなければいけないので、就職した後も同じようなことを続けていく必要があります。是非、今のうちに習得しておいてくださいね。それではこれから概要を説明します。

研究職に就くための作戦(院生編)

院生の皆さんが研究職を目指す場合の作戦について、概要を説明します。それぞれの細かい手順については別記事にて説明するようにします。

自分の専門性を確認する

ç ç©¶å®¤, 解æ, åå­¦, ç ç©¶, åå­¦è, å士å·ãåå¾, 診æ­, çé¢

ここはものすごく重要です。皆さんは大学院では研究室に所属し、研究テーマを持っている、もしくは研究テーマについてこれから決める段階ではないかと思います。所属している研究室は当然専門性があるはずです。基本的には研究室の専門性が皆さんの専門性と考えてよいでしょう。なぜなら、そこまでピンポイントで専門性就職先と合致することはほとんどないからです。

 専門性と言っても、大きな分野の分類から細かい分類まで色々あります。例えば、バイオ系、化学系となるとかなり広範囲になります。自分のテーマがその中のどのような分類になるかが簡単にわかれば問題ありませんが、もし分からない場合には学会や文献を参考にすると分かりやすいです。少し古いですが、Wikipediaに日本の学会がまとまっているので、参考になると思います。

日本の学会一覧 - Wikipedia

 

 もし、研究室で定期的に学会や論文などの外部発表をしている場合は、該当する学会の中での分類を活用しましょう。もし、例えば非公開のプロジェクトに関わっていて外部に発表出来ない、という場合には、そのプロジェクトを外部発表する場合はどこになるだろう、という視点で考えてみるといいと思います。そうすると、その学会全体のテーマが大分類であり、学会での分類が中分類といったように専門性を定義することが出来ます。詳細はこちらを参考にしてください。

www.komomon.com

仲間(ライバル)をリストアップする

 学会の分類などで自分の専門性を確認したら、学会のプログラムや予稿集を使って、同じ分類で発表している人たちの名前、題目(キーワード)、所属をリストアップしていきます。特に研究室の発表の前後で発表している人たちは研究におけるいわゆるライバルです。できれば過去2~3年分くらい確認することをお勧めします。ここに民間企業や産総研などの独立行政法人などが入っていたら要チェックです。連名の大学があればこれも追記します。

 もし同じような学会が複数ある場合は他の学会に別の民間企業が発表していないかを確認します。もし他の企業や法人が見つかったら、それもリストに追加しましょう。詳細はこちらを参考に。

www.komomon.com

追加調査を行う

リストアップした企業を中心に追加で情報収集を行います。調べるのは、プレスリリースや論文、特許などの公開されている情報です。特に特許を調べることで、それぞれの企業での研究規模がおおよそ予測できます。それぞれの企業について、追加調査の情報もあわせてまとめておきます。

www.komomon.com

www.komomon.com

業界勢力図を作る

追加調査を含めてそれぞれの企業の研究状況をまとめると、この専門分野における勢力図が見えてきます。一番研究が進んでいるのはどこか、研究チームの規模が大きいのはどこか、それぞれの企業が力を入れているのは何か、をまとめます。

専門性の活かし方を考える

業界勢力図から、自分が入りたい会社かどうかはとりあえず置いといて、自分の専門性を一番活かせると思う企業を選びます。まずその企業に自分の専門性や研究テーマの成果がどう貢献できるか、というストーリーを作ります。多少こじつけでも構いません。「そこまで会社の事を調べて自分なりのストーリーを作った」ことが重要なのです。そして、他の企業についても、その強みと弱みを理解したうえで、自分が貢献できることはこれだ、というストーリーを作りましょう。

発表者にコンタクトを取る(オプション)

これは、「研究テーマがその企業ととても近い」場合に限定されますが、学会で発表した企業の担当者にメール等でコンタクトを取るのも一つの手段です(一番理想的なのは学会を聴講して発表後に直接捕まえる方法)。ただし、その場合研究テーマについて技術ディスカッションができる程度まで勉強しておく必要があります。ここで認めておいてもらえると、偉い人につながる可能性が上がるからです。逆に悪印象が残るリスクもあるのでコミュニケーションスキルに自信がある人だけにしましょう。

まとめ

研究職希望の場合、選択肢が多くはない代わりに、業界研究は情報が集めやすいと思います。このメリットを活かして是非「タダモノじゃない感じ」を出して研究職を目指してみてください。次回以降、詳細をお話ししたいと思います。