追加調査を行う(前編)
さて、前回自分の専門性について確認したので、今度は追加調査を行い、自分のテーマに近いことをだれがやっているか、その中で自分の位置づけはどこかについて確認していきましょう。
研究職への就職大作戦はこちらも参考にしてください。
ターゲット範囲を決める
まず、自分のテーマをポジショニングするのに必要な調査範囲を仮決めします。もちろん一度調査してみてしっくりこなければ、後から範囲を広げたり絞ったりすればいいので、ここは深く考えずに決めましょう。目安としては、大学、企業、その他法人などが10~20程度になるように範囲を決めると差別化が図りやすいと思います。例えば前回作った表4-1の例で考えると、小分類で「空気力学」の範囲では法人の数が10未満なので
①「空気力学」+「風洞技術」の範囲
②「空気力学」+「飛行力学」の範囲
③「空気力学」+「風洞技術」+「飛行力学」の範囲
のいずれかを選択するイメージです。どれを選ぶかは、あなたのテーマが「風洞技術」と「飛行力学」のどちらにより近いとあなたが思うかで決めましょう。悩んだらとりあえず両方調査範囲に入れてみましょう。途中で範囲を広げることもできるのですが、まとめて実施した方が当然効率がいいからです。
前回の「仲間の少ない応用テーマ」の場合についても、テーマに近い関連分類を追加して、同じように範囲を決めましょう。
表4-1 各分類ごとの学会発表概要まとめ(抜粋)
情報を整理する
まず学会発表内容を予稿集で確認
範囲が決まったら、学会の予稿集を探しましょう。研究室か大学の図書館にある可能性が高いので、テーマの近い研究室の先輩に聞いてみるのが早いと思います。
もしなかったら、大学の図書に外部の蔵書を借りる、複写のサービスはあるかを確認してみましょう。どの大学にあるかは下記のサイトから調べることが可能です。
CiNii Books - 大学図書館の本をさがす - 国立情報学研究所
それぞれの発表内容を確認します。この時に「発表者の所属と氏名」「連名者の所属と氏名」「内容に関するキーワード」「特許や関連文献での報告情報」を表にまとめます。予稿集のデータ(少なくともアブストラクト)はPDFなどにしてまとめておき、後で参照できるようにします。まとめた例を表4-2に示します。
表4-2 類似テーマ学会発表内容まとめ例
ここまでまとめたら、文献と特許についての追加調査を行います。長くなるので後編に続きます。