研究のカミサマ -研究職への就職大作戦-

研究職を目指す学生さんに、現役研究者が本気で考えた、研究のカミサマを味方につけて「研究職に就いて」「生き残る」方法について綴ります

追加調査を行う(前編)

さて、前回自分の専門性について確認したので、今度は追加調査を行い、自分のテーマに近いことをだれがやっているか、その中で自分の位置づけはどこかについて確認していきましょう。

 

研究職への就職大作戦はこちらも参考にしてください。

www.komomon.com

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ターゲット範囲を決める

 まず、自分のテーマをポジショニングするのに必要な調査範囲を仮決めします。もちろん一度調査してみてしっくりこなければ、後から範囲を広げたり絞ったりすればいいので、ここは深く考えずに決めましょう。目安としては、大学、企業、その他法人などが10~20程度になるように範囲を決めると差別化が図りやすいと思います。例えば前回作った表4-1の例で考えると、小分類で「空気力学」の範囲では法人の数が10未満なので

①「空気力学」+「風洞技術」の範囲

②「空気力学」+「飛行力学」の範囲

③「空気力学」+「風洞技術」+「飛行力学」の範囲

のいずれかを選択するイメージです。どれを選ぶかは、あなたのテーマが「風洞技術」と「飛行力学」のどちらにより近いとあなたが思うかで決めましょう。悩んだらとりあえず両方調査範囲に入れてみましょう。途中で範囲を広げることもできるのですが、まとめて実施した方が当然効率がいいからです。

  前回の「仲間の少ない応用テーマ」の場合についても、テーマに近い関連分類を追加して、同じように範囲を決めましょう。

 

 表4-1 各分類ごとの学会発表概要まとめ(抜粋)

中分類 小分類 発表年 発表者 連名 題目
航空力学 風洞技術 2018 ○○大学 △△ なし 風洞試験における模型表面空力センシング法の研究
    2018 (株)◇◇ ●● △△機構 ・・・
    2017 〇▲研究所 ●◇大学 ・・・
  空気力学 あなた あれば共同研究先 数値計算による飛行時に発生する空力干渉の低減
    2018 ●●(株) ▲▲ △△機構、◆◆大 数値計算を用いたドローン翼形状による空力特性への影響
    2017 △△機構  ●●(株) ・・・
    2018 ◇△大学 ●● なし ・・・
    2017 ◇△大学 ●● なし ・・・
    2016 ◇△大学 △△ なし ・・・
    2018 (株)〇△ ×× 〇◇大学 ・・・
    2016 〇△研究所 なし ・・・
    2018 〇〇大学 〇◇ なし ・・・
  飛行力学 2018 ◇△大学 △△ なし 高速飛行のための飛行経路の研究
    2017 ◇△大学 △△ なし ・・・
    2018 (株)◇△ ◇◇ なし ・・・
    2017 〇▲研究所 ●◇大学 ・・・

 

情報を整理する

 まず学会発表内容を予稿集で確認

範囲が決まったら、学会の予稿集を探しましょう。研究室か大学の図書館にある可能性が高いので、テーマの近い研究室の先輩に聞いてみるのが早いと思います。

 もしなかったら、大学の図書に外部の蔵書を借りる、複写のサービスはあるかを確認してみましょう。どの大学にあるかは下記のサイトから調べることが可能です。

CiNii Books - 大学図書館の本をさがす - 国立情報学研究所

 

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 それぞれの発表内容を確認します。この時に「発表者の所属と氏名」「連名者の所属と氏名」「内容に関するキーワード」「特許や関連文献での報告情報」を表にまとめます。予稿集のデータ(少なくともアブストラクト)はPDFなどにしてまとめておき、後で参照できるようにします。まとめた例を表4-2に示します。

表4-2 類似テーマ学会発表内容まとめ例

小分類 法人名 氏名 連名(法人名) 氏名 キーワード(学会) 関連特許 関連文献
風洞技術 A大学 ヤマダ なし   風洞試験、表面空力、センシング 特願平〇〇‐〇〇〇  
  (株)B タナカ C機構 イトウ ・・・    
  D研究所 カトウ E大学 オカダ ・・・    
空気力学 あなたの大学 あなたの名前 あれば共同研究先 あなたの名前 数値計算、空力干渉    
  F(株) スズキ C機構、G大 ヤマシタ、サトウ 数値計算、翼形状、空力特性   〇〇学会誌(2017) p. 〇
  C機構  サイトウ I(株) コヤマ ・・・    
  H大学 ワタナベ なし   ・・・    
  (株)J ナカムラ K大学 ヤマモト ・・・    
  L研究所 コバヤシ なし   ・・・    
  M大学 ヨシダ なし   ・・・    
飛行力学 N大学 タカハシ なし   高速飛行、飛行経路 特開平〇〇‐〇〇〇〇  
  (株)O ヤマグチ なし   ・・・    
  D研究所 カトウ E大学 オカダ ・・・    

 

ここまでまとめたら、文献と特許についての追加調査を行います。長くなるので後編に続きます。